折々のことば1328(鷲田清一)ー川喜多二郎ー

 
 受け身の心がなく、積極的に外に働きかけようとするだけのプランには、どこかに嫌味があり不自然さがある。
 
    (川喜田〈かわきた〉二郎)
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 KJ法という、情報整理と創造性開発のための思考と議論の方法を考案した文化人類学者の言葉。知的にであれ政治的にであれ、社会で力をもつ人は、「正直に現場を うけとめて、そこから問題をつかみだしてくる」プロセスを疎(おろそ)かにしがちで、人の心をつないでゆく力に欠け、状況に柔軟に対処するのも下手だと言う。『発想法』から。