2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧
¨歴史学にもしはタブーである¨とされてきたが、それが歴史学を現実肯定の学にし、未来志向に役立たない非実用の学にしてきたのではないだろうか。 わたしも史学科に入学して以来、田中 彰氏の「歴史における未発の可能性」という概念に接するまで、¨歴史学に…
栽培植物が人類の最も重要な文化財であるならば、植物界にはそれに準じた大きな存在が一つ見られる。それは雑草である。雑草と野草とはどう違うかというと、その第一点は、雑草は人間のつくった環境に生じるということだ。畑とか道ばた、空閑地といったとこ…
栽培植物は人間の意識的保護のもとに生長している植物であると定義できよう。動物界でもほとんど同様で、そこには栽培植物に対して家畜という存在がある。キンギョやカナリヤなどは普通は家畜のなかに数えない人が多いが、家畜の意味を広義にとれば、こんな…
受け身の心がなく、積極的に外に働きかけようとするだけのプランには、どこかに嫌味があり不自然さがある。 (川喜田〈かわきた〉二郎) ◇ KJ法という、情報整理と創造性開発のための思考と議論の方法を考案した文化人類学者の言葉。知的にであれ政治的に…
E.M.シオランというルーマニア生まれの亡命作家がいる。パリに移住しフランス語で著作活動をした。外国語で自己表現するほかないつらさーわたしには、この亡命作家の嘆きがよくわかる。女の状況も似たようなものだからだ。自分を語ろうとすると、その言葉は…
「女帝への共同参画不要」 引用 上野千鶴子「天皇制」と伝統文化一論議のために一 朝日新聞・夕刊8/17/'08 権威への共同参画不要 若者のあいだに広がる無関心 憲法を改正するなら、第一条から手をつけるべきだろう。国旗や国家、富士山や桜が、日本の「象徴」だと…
「『下ネタ』は『上ネタ』だ」 引用 上野千鶴子 「上野千鶴子が文学を社会学する」所収「『性幻想一ベッドの中の戦場へ』は静かな挑戦の書である。文庫版の本書が刊行されたのは1990年、今から10年前である。『性幻想』というタイトルは今でも衝撃的だ。…
「木下直之 「ハリボテの町」」 引用 わたしは、この本が1996年に出版された当時、知人にすすめられたにもかかわらず、「ハリボテの町」という書名が、映画セットの“うすっぺらさ”を連想させたので、ろくに読まずに返却したことを後悔しております。わたし…
「横尾忠則なんという無礼な」 引用 三島由紀夫―1966年・横尾忠則個展への寄稿文―横尾忠則の作品には、全く、われわれ日本人の内部にあるやりきれないものが全部露出していて、人を怒らせ、怖がらせる。何という低俗のきわみの色彩であろう。招魂社の見…
美術という見世物 木下直之『乍憚口上』(「美術という見世物」)現代人が美術と呼んでいるものも、この国に昔からあったわけではない。体操の歴史に似て、美術もまた、官が民に教え込んできたという歴史を持つ。美術学校とはそのための施設である。美術学校を頂…
花田清輝の太宰 治論 二十世紀における藝術家の宿命ー太宰治論ー 花田清輝「錯亂の論理」眞善美社 「オルソドクシー」のなかで、チェスタートンは、イギリスの快走艇操縦者が、いささか航路をあやまり、その結果、南海の新しい島だとばかり信じながら、實はイギ…
魯迅の傑作故事新編花田清輝 「魯迅」(『文学』1956年10月号原題「故事新編」)戦争中、しばしば、わたしは、魯迅の『故事新編』についてかいた。とりわけ何度もとりあげたのは『鋳剣』で、青衣をまとい、青剣を背負い、暴君をたおすために、城内にむかってひた走…
津島佑子さんを悼む哲学者柄谷行人 2016-02-25 12:00:00朝日新聞 2016.2.23 虐げられたものへ愛と共感哲学者・柄谷行人 私が中上健次に紹介されて、津島佑子に会ったのは、1970年代の末ごろである。 彼らはかつて同人雑誌「文芸首都」の仲間であった。私…
友情は相互の軽蔑の上に中野好夫はエッセイ「悪人礼賛」のなかで、“友情”について常識をくつがえす、下記のような定義をしている。友情というものがある。一応常識では、人間相互の深い尊敬によってのみ成立し、永続するもののように説かれているが、年来ぼ…
ウーマン村本THEMANZAIでまたも時事ネタLGBTも…ネット大反響12/9(日) 22:11配信 漫才コンビのウーマンラッシュアワーが9日、フジテレビ系「Cygames THE MANZAI2018 マスターズ」に出演し、昨年に続き沖縄基地問題、原発問…
土人発言府知事看過ー2018年12月03日(朝日新聞・夕刊)ー津嘉山さん「心の奥底に差別」沖縄で生まれて20歳のとき、船で2泊3日かけて上京。以来、東京で俳優の道を究め、声優としても活躍する津嘉山正種さん(74)。基地問題も含めて、いまの沖縄をどんな…
第一に、マスメデイアは、元・貴乃花は大横綱だったというが、とんでもない。同部屋に横綱、大関、関脇、小結がいたからである。 ここ二年に起きた貴ノ岩にからむ訴訟事件に関しても、果たして本人の意志だけだろうか。すくなくとも、最初の仕掛け人は、貴乃…
茄子科植物は、一方に茄子・馬鈴薯・ピーマン・蕃椒(トウガラシ)・などが控え、クコのような薬用果実もあるし、酸漿もこの仲間だが、他方には猛毒植物も目白押しに並んでいる。すなわち、ニコチンを含むタバコ、ヒヨスチアミンとアトロピンの巣窟、ダトウラ=朝…
あの、日常不可欠の馬鈴薯にも隠れた凶器がある。春になると薯の凹みから出る「芽」がそれである。これにはアルカロイドの一種ソラニンが含まれ、誤って食べると眩暈あるいは嘔吐を催す。馬鈴薯が種族絶滅に抗する非常手段の一つとも考えられる。