横尾忠則なんという無礼なー三島由紀夫の寄稿文(1966年横尾忠則個展への)ー

横尾忠則なんという無礼な」  引用

三島由紀夫―1966年・横尾忠則個展への寄稿文―

横尾忠則の作品には、全く、われわれ日本人の内部にあるやりきれないものが全部露出していて、人を怒らせ、怖がらせる。何という低俗のきわみの色彩であろう。招魂社の見世物の看板の色彩の土俗性と、アメリカン・ポップアートのコカコーラの赤い入れ物の色彩との間にひそむ、そのおそろしい類縁性が、われわれの内部にあってどうしてもわれわれが見たくないというものを、爆発させてしまう。何という無礼な芸術であろう。このエチケットのなさ!