馬鈴薯の隠れた凶器ー異国美味帖(塚本邦雄)ー

 あの、日常不可欠の馬鈴薯にも隠れた凶器がある。春になると薯の凹みから出る「芽」がそれである。これにはアルカロイドの一種ソラニンが含まれ、誤って食べると眩暈あるいは嘔吐を催す。馬鈴薯が種族絶滅に抗する非常手段の一つとも考えられる。